DCA(ドルコスト平均法)
市場の状況を問わず、毎月一定額を定期的に投資し続ける手法。
高い時も安い時も同額を買うため、平均取得価格が平準化される。このサイトの全シミュレーションの「ベースライン」として使用。phi2戦略はDCAに加えてシグナル時に追加投入することで、DCAを超えるアルファを目指す。
ドライパウダー
暴落時の追加投入に備えて手元に持っておく現金・待機資金。
phi2シグナルが発動したとき「買いたいが現金がない」という状況を防ぐための備え。30年検証(Round 38)では、毎月の積立に加えて3〜12ヶ月分を積み立てておいても結果は変わらず。phi2は30年間で月次連続発動がゼロ(つまり準備期間は十分ある)。
QE(量的緩和 / Quantitative Easing)
中央銀行が国債・社債などを大量購入し市場に資金を供給する非伝統的金融政策。
リーマンショック後(2009年3月〜)にFRBが開始し、以降の金融市場の構造を大きく変えた。QE以前は「HYG下落=株も長期低迷」だったが、QE以降は「FRB介入でV字回復」のパターンが定式化した。このサイトの HYG-8% シグナルが「2009年3月以降」という条件を持つのはこのため(Round 16で確認)。「同じシグナルが政策体制で意味を反転させる」という QRIP の重要発見の一つ。
NISA(少額投資非課税制度)
日本の投資非課税制度。年間360万円まで非課税で投資できる(新NISA 2024〜)。
通常、株式の利益には約20%の税金がかかる。NISA枠内ならこれがゼロ。phi2シグナル発動時にNISA枠を使うと税引き後リターンへのインパクトが大きい。このサイトでは今後、NISA枠の残高と課税口座の分岐シミュレーションを実装予定。
過熱判定
市場が楽観過多・追加投資を控えるべき状態かどうかを示す判定。
憲法第三条「恐怖と過熱を分ける」の実装。過熱の目安: ATH近傍(乖離-3%以内)・VIX<15・CRS=0・Put/Call<0.6。複数が重なると「追加投入より待機が有利」な局面。これは「買ってはいけない」ではなく「割高に気づく」装置。
為替レート
ある通貨を別の通貨に換えるときの交換比率。「1ドル=150円」のように表す。
米国株や全世界株(オルカン)を持つ日本人にとって、円建ての成績は「株の値動き × 為替の値動き」で決まる。円建て評価額 = ドル建て評価額 × ドル円レート。株価が動かなくても、為替が動けば円換算の価値は変わる。QRIPのポートフォリオは米国株をドル建て・円建ての両方で表示し、この2つを切り分けて見られるようにしている。
円安
円の価値が下がること。1ドルを買うのに必要な円が増える(150円→165円など)。数字が上がると円安。
円安=円の価値が下がる。1ドル150円→165円は、同じ1ドルを買うのに多くの円が要る状態で、円が「安く」なっている。外貨建て資産を持つ日本人には追い風で、米国株の円換算の価値が上がる。輸出企業にも有利。2022年は1ドル115円台→一時150円超の急速な円安が進み、ドル建てでは下落したS&P500の円建ての下落を大きく和らげた。
円高
円の価値が上がること。1ドルを買うのに必要な円が減る(150円→135円など)。
円高=円の価値が上がる。1ドル150円→135円のように、少ない円で1ドルが買える状態。輸入や海外旅行は得だが、外貨建て資産を持つ日本人には逆風で、米国株が現地で上がっても円換算では目減りする。リーマン・ショック(2008年)のような円高局面では、株安に為替の目減りが重なり損失が拡大した。
為替ヘッジ
為替変動の影響を打ち消す仕組み。「ヘッジあり」の投信は円高でも損をしにくい代わりにコストがかかる。
為替ヘッジありの投資信託は、ドル円が動いても円建てリターンが株価そのものに近づく(為替の揺れを相殺する)。その代わり、主に日米の金利差ぶんの「ヘッジコスト」がかかる。株価変動そのものは消せない。円高が心配ならヘッジあり、長期で円安メリットも取りにいくならヘッジなし、というのが一般的な使い分け。
ドル建て・円建て
どの通貨で価値を測るか。米国株は本来ドル建てで動き、日本人が持つと最終的に円建ての損益に為替が乗る。
同じ$110の株でも、ドル建てでは+10%、そこに円安が乗れば円建てではさらに上乗せされる(円高なら削られる)。「ドルでは勝っているのに円では負けている(またはその逆)」が起きるのはこのため。QRIPのポートフォリオがドル建てと円建ての両方を表示するのは、株の損益と為替の損益を切り分けて把握するため。
景気サイクル(景気循環)
経済が「回復→好況→後退→不況」を繰り返す波。数年〜10年ほどの周期で巡るとされる。
金利・インフレ・為替はこの波の上で動く。好況で過熱すればインフレ→利上げ、後退が近づけば利下げ、という関係になる。「今どの局面か」を意識すると、バラバラなマクロ指標が1本につながる。ただしリアルタイムで局面の境目を正確に当てるのは難しい。QRIPのCRS(恐怖の深さ)は、今が波のどのあたりかを測る一材料。
セクター(業種)
企業を事業内容でグループ分けした区分。ハイテク・金融・生活必需品・ヘルスケアなど。
株はセクター単位で似た動きをすることが多い。景気の局面に応じて、相対的に強いセクターが入れ替わる(セクター・ローテーション)。大きくは、景気の波に業績が振れる「景気敏感株」と、需要が安定した「ディフェンシブ株」に分けて捉えると分かりやすい。
景気敏感株(シクリカル)
景気の波に業績が大きく振れる株。回復・好況で伸び、後退で落ちやすい。
ハイテク・自動車・金融・素材・エネルギーなどが代表。「今は我慢できる」買い物(自動車・旅行・最新機器)が多く、不況で買い控えられる。反対に回復初期は、低金利と業績の伸びしろから、いち早く上昇しやすい。
ディフェンシブ株
景気に関係なく需要が安定した株。食品・医薬・電力など。不況でも売上が落ちにくい=守りに強い。
需要が「減らせない」ことが強さの源。景気が悪くても、食事・薬・電気は止められないため、これらの企業の業績は安定し株価も底堅い。後退・不況局面では、資金が景気敏感株からディフェンシブ株へ移りやすい。
セクター・ローテーション
景気の局面が移るにつれ、相対的に強いセクターが入れ替わっていく現象。
回復では景気敏感株(特にハイテク)、好況後半はエネルギー・素材、後退〜不況ではディフェンシブ、という移り変わりが典型。局面を完璧に当てる必勝法ではなく、分散・積立を土台にしたうえで「なぜ今この業種が動くか」を理解する“地図”として使うのが適切。
損益計算書(PL)
1年など一定期間の「売上・費用・利益」の流れをまとめた決算書。会社のその期間の“成績表”。
一番上の売上高からスタートし、売上原価・販管費・税などの費用を段階的に引いて、一番下に当期純利益が残る「引き算の表」。利益は1種類ではなく、どの費用まで引いたかで売上総利益→営業利益→経常利益→当期純利益と何度も現れる。どの段階の利益を見るかで分かることが変わる。ある“期間”の成績を表すPLに対し、ある“一時点”の残高を表すのが貸借対照表(BS)。財務三表の1枚目。
売上高
本業で商品・サービスを売って得た代金の合計。損益計算書の一番上に来るため「トップライン」とも呼ぶ。
会社の事業規模を表す最初の数字。ただし売上が大きい=もうかっている、ではない。利益は売上から費用を全部引いた“残り”なので、売上が過去最高でも費用がそれを上回れば赤字になる。売上が前年より伸びているか(成長率)、その伸びが加速か減速か、が読みどころ。
売上原価
売った商品を用意するのに直接かかった費用(仕入れ・製造原価など)。売上高から最初に引かれる。
小売なら仕入れ値、メーカーなら材料費+製造にかかった費用。売上高から売上原価を引いたものが売上総利益(粗利)。原材料高や円安で原価が膨らむと、売上が同じでも粗利・営業利益が縮む。売上原価÷売上高=原価率で、その圧迫度を見る。
売上総利益(粗利)
売上高から売上原価を引いた利益。商品そのものの“もうけの厚み”を表す。「粗利(あらり)」ともいう。
売上総利益 = 売上高 − 売上原価。ここから販管費を引くと営業利益になる。粗利率(売上総利益÷売上高)が高い会社は、価格競争力やブランド・独自技術を持つことが多い。
販管費
販売費及び一般管理費。人件費・広告費・家賃・研究開発費など、売上原価以外で本業を回すための費用。
売上総利益(粗利)から販管費を引いたものが営業利益。広告や研究開発を先行投資として増やすと、短期的には販管費がかさんで営業利益を圧迫する。その投資が将来の売上につながるかどうかが評価の分かれ目。
営業利益
売上総利益から販管費を引いた、“本業でどれだけ稼いだか”を表す利益。投資家が最も重視する。
営業利益 = 売上総利益 − 販管費 = 売上高 − 売上原価 − 販管費。本業の売上から本業の費用を全部引いた“本業のもうけ”。受取配当・支払利息などの本業外の損益や、税金・一時的な損益はまだ引かれていないため、事業そのものの実力を最もよく表す。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高。売上のうち何%が本業の利益として残るかを示す“稼ぐ効率”。
= 営業利益 ÷ 売上高
同じ売上でも、営業利益率が高い会社ほど効率よく稼いでいる。業種によって水準が大きく違うため、比較は同業他社どうしで行うのが基本。QRIPのスクリーナーは、この営業利益率を含む複数の指標で銘柄を絞り込める。
経常利益
営業利益に、本業以外の恒常的な損益(受取配当・支払利息など)を足し引きした利益。会社の“通常の実力”。
経常利益 = 営業利益 ± 営業外損益。借入が多い会社は支払利息の分、経常利益が営業利益より小さくなりやすい。逆に金融収益が大きい会社は上振れする。日本の会計に特有の段階で、米国のPLには直接の対応項目がない。
当期純利益
特別損益や法人税まで全部引いた後、最終的に会社(株主)に残る利益。損益計算書の一番下=「ボトムライン」。
当期純利益を発行株数で割るとEPS(1株利益)になり、PER(株価÷EPS)やROE(純利益÷自己資本)の土台になる。一時的な特別損益(資産売却益・減損など)で大きく振れることがあるため、本業の実力は営業利益と合わせて見る。
貸借対照表(BS)
ある一時点(決算日)で会社が「何を持ち(資産)・何を借り(負債)・正味いくらか(純資産)」を表す決算書。左右がつり合うのでバランスシート。
左=資産(集めたお金の使い道)、右=負債+純資産(お金の出どころ)。同じお金を両面から見るので、資産 = 負債 + 純資産 が必ず成り立つ。1年間の“流れ”を表すPLに対し、BSは“その瞬間の残高”のスナップショット。会社の体力・安全性が表れる。財務三表の2枚目。
資産
会社が持っている財産(現金・売掛金・在庫・工場・設備など)。集めたお金を「何に使っているか」を表す、貸借対照表の左側。
1年以内に現金化しやすい流動資産(現金・売掛金・在庫)と、長く使う固定資産(工場・土地・設備・のれん)に大きく分かれる。総資産が大きい=安全ではない。その裏側が負債か純資産かで意味がまるで変わる。
負債
いつか返さなければならない他人のお金。銀行借入・社債・買掛金など。貸借対照表の右側・上。
利息のつく借金(有利子負債:借入金・社債)と、利息のつかない買掛金などに分かれる。適度な負債は成長の元手になるが、多すぎると金利上昇や不況で返済に追われる。負債が総資産を上回ると純資産がマイナス=債務超過になる。
買掛金
商品や材料を「掛け(後払い)」で仕入れたときの、まだ払っていない代金。利息はつかない営業上の未払いで、負債(流動負債)の一部。
日々の営業活動で生じる短期の債務。銀行借入や社債と違って利息はつかないが、いずれ現金で支払う必要がある。買掛金が急に増減すると、その分だけ将来の現金の出入りが動く(キャッシュフローに効いてくる)。
社債
会社が資金を集めるために発行する“借用証書”のような有価証券。投資家から借り、利息を払って満期に元本を返す。利息のつく負債(有利子負債)。
銀行借入と並ぶ資金調達の手段。決まった利率で利息を払う約束のため、金利が上がると新規発行の利息コストが増す。投資家の側から見れば、株より値動きが小さい代わりにリターンも限定的な「債券」の一種。
純資産(自己資本)
総資産から負債を引いた、返さなくてよい“自分のお金”。株主の出資と、過去の利益の蓄積(利益剰余金)でできている。
純資産 = 総資産 − 負債。厚いほど、売上が落ちても借金返済に追われず会社は潰れにくい。毎年のPLの当期純利益が利益剰余金として純資産に積み上がり、この純資産を分母にしたのがROE(自己資本利益率)。ここでPLとBSがつながる。
自己資本比率
純資産 ÷ 総資産。財産のうち“返さなくてよい自分のお金”が占める割合。高いほど財務的に安全とされる。
= 純資産 ÷ 総資産
借金への依存度の裏返しで、高いほど不況や金利上昇に耐えやすい。ただし適正水準は業種で大きく異なり(銀行・商社は低め、無借金企業は非常に高め)、比較は同業他社どうしで行う。QRIPのスクリーナーは、この自己資本比率を含む複数の指標で銘柄を絞り込める。
利益剰余金
これまで稼いだ利益のうち、配当などで社外に出さず会社に貯めてきた累計。純資産の一部。
PLの当期純利益から配当を引いた残りが、毎年ここに積み上がっていく。利益剰余金が厚い会社は、長年にわたり利益を出して貯めてきた実績があるといえる。赤字が続くと取り崩され、マイナスになることもある。
債務超過
負債が総資産を上回り、純資産がマイナスになった状態。持っている財産を全部売っても借金を返しきれない危険信号。
自己資本比率がマイナスになる状態。すぐ倒産するとは限らないが、上場廃止基準に関わることもあり、財務の最重要リスクの一つ。一時的な大赤字や過大な借入で陥る。BSの純資産がプラスで厚いかは、安全性の最初のチェックポイント。
キャッシュフロー計算書(CF)
1年間に会社の“現金”が実際にいくら出入りしたかを、営業・投資・財務の3区分でまとめた決算書。利益とは別の「本当のお金の流れ」を追う。
PLの利益は発生主義(取引成立時点で計上)のため、手元の現金の増減とはズレる。CFはそのズレを取り除き、現金の増減だけを示す。営業CF(本業で稼いだ現金・最重要)/投資CF(設備投資など)/財務CF(借入・返済・配当)の3つ。財務三表の3枚目。
営業キャッシュフロー(営業CF)
本業で実際に稼いだ現金。CFの中で最重要で、継続してプラスなら本業がちゃんと現金を生んでいる健全なサイン。
当期純利益に減価償却費(現金の出ない費用)を足し戻し、売掛金・在庫の増加(現金がまだ入っていない/先に出た分)を引いて求める(ざっくり)。利益は伸びているのに営業CFがついてこない場合、売掛金や在庫の膨張が疑われ、利益の“質”を見直すヒントになる。
フリーキャッシュフロー(FCF)
営業CFから投資CF(必要な設備投資など)を引いた、会社が自由に使える現金。借金返済・配当・自社株買い・新規投資の原資。
= 営業CF − 投資CF
フリーCF = 営業CF − 投資CF。安定してプラスを生める会社は、外部の借入に頼らず自分の足で回っている強さがある。配当や自社株買いを無理なく続けられるかの土台にもなる。
黒字倒産
PL上は黒字なのに、手元の現金が尽きて支払いができず倒産すること。利益と現金が別物だから起きる。
売上が伸びても、売掛金の回収が遅れ、在庫や仕入れ・投資で現金が先に出続けると、黒字でも資金がショートする。だからPLの利益だけでなく、CF(特に営業CF)で現金がちゃんと回っているかを確認する必要がある。
発生主義
現金の受け渡しではなく「取引が成立した時点」で売上・費用を計上する会計ルール。PLの利益と手元現金がズレる原因。
商品を掛けで売ると、現金が入る前でも売上(利益)が計上される。逆に費用も、支払い時点ではなく発生時点で計上される。この利益と現金のズレを埋めて“本当のお金の流れ”を見せるのがキャッシュフロー計算書。
財務三表
損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)の3枚。会社を利益・残高・現金の3視点から映す。
PL=1年間の利益の流れ、BS=ある一時点の残高、CF=現金の出入り。3枚は互いにつながっており、PLの当期純利益はBSの利益剰余金に積み上がり、CFの出発点にもなる。決算を読むとは、1つの数字で決めず、この3枚をつなげて会社の姿を立体的に判断すること。